2011年10月17日月曜日

バビロめく


 
以下はも○もと青○茂根氏のBABYL○に収め○○てい○幻○○である。(校註:○部分は虫食い)

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スープ罐より初夢を取り出しぬ
ープ罐が現代の象徴である世代にとってこの句は警鐘であると共にやはりそこであったかと安寧の気持ちを起こさせるものでもある。全ての夢が失われつつある世には、スープ罐でさえ再起動の起点として魅力的、蠱惑的と言える。

風葬の一族にして夜業人
葉を生業とする全てのものたちへ捧ぐ符牒である。
文人たちは夜な夜な木戸を叩いては「風葬の一族にして」「夜業人」
などとこの符牒を交わすのだ。しめしめ。では雪隠はどこであるか。

蜂の巣のほかに見せあふものあらば
らばと言いつつ無いということしか期待していないこの蜂の巣は、京都に於けるぶぶ漬けと同質の存在なのである。無言の圧力の象徴であり、存在させれば意外と美味なものであるはずだろう。しかし、その地にはそれは無いのだ嘘っ蜂。

七草粥や羽ばたきの二つ三つ
草粥の前にスープ罐と風葬の墓と蜂の巣を置いてみる。
すると互いが羽ばたきを始め、しばらくののち一定の得心に鎮まる。
その間、七草粥はあたたかなままに侍る。
七草粥の目的はあくまでも食べられることにあるからだ。

     *


クリスマス火口へと道続きをり
の山、意外とおもちゃ工場だったり。
はしごで降りれるようになっていて。
噴火すると世界中の子どもの家の煙突まで
プレゼントがどつかんどつかん飛んで行く
サンタお助け配送センター機能付き。
その道に世界中の親たちが材料になるために並んでいる。

田楽の天地冷えゆきにはたづみ
上天下唯我独尊。此の世を統べる田楽はだがその熱量を失うにつれ次第に外郭を固化させて行き、逆に自身の内なる統率は失い、ついには潦へと至る。では味噌はどうなるのか。その点ついては今後しかるべき有袋類と議論を深めたいと考えている。

鶯や彼方に重機光りあふ
隔装置と音声入力の連動は然程新しい技術ではありませんが、入力デバイスとして鶯を使った点は我社独自のものでしょう。今後鶯語の解析が進むにつれて、ただ光り合うだけでなく、実用的な掘削作業などにも対応していけるものと確信致しております。かしこ

鶴の群とは崩れゆく塔のごと
崩れゆく塔はスープ罐より取り出す初夢のごと

∴鶴の群初夢のごと取り出さる

∵鶴の夢群崩るごと罐の中

∴鶴の中塔のごと罐崩れゆく

∵鶴の罐塔のごと夢崩るるや

以下証明を記す余白はあるが需要は創出されない。




秋風裡現代遊戯バビロめく  央

※「バビロめく」は造語
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-- 青山茂根氏のBABYLONを拝読。雑狂文に遊ぶ。感謝。


現在田舎詰めで農作業1年生。ネットが億劫で(1年生は時間もなかなか…)たまにしか覗けません。来春くらいにはまたツイッターでもなんとか。